2008/12/09

2008自転車レース振り返り<クラシックと中級ステージレース>

今年の海外ロードレース振り返り。

ダウンアンダーはグライペルだったか。
どうしてもジロの、カヴェンディッシュのサブみたいな印象がぬぐえないけど、
中級のレースならやはり力のあるスプリンターだ。
ドイツはこれからが楽しみなスプリンターが多い。
ゲラルド・チオレックは大成するかなぁ。

カタールはボーネン。なんだかいつものこと、って感じですな。

ランカウイでのナヴィガーレとセッラメンティの活躍もいつものこと、って感じ。
やはりイタリアチームはプロコンでも相当にレベルが高い。
積極的に近隣諸国の選手をリクルートしているのも影響しているだろう。

カリフォルニアも役者が勝った。
ヘーシンクは順調に山を登れるようになってほしい。
総合はライプハイマー。ほぼ弱点の無いステージレーサー。
時代が時代なら、グランツールもとれる選手だろうに。

パリ〜ニース。観に行こうと思ってたんだけどな〜
ちょうどテストと重なってた。。
これは面白いレースでしたね。
ヘーシンクのポテンシャルが明らかになったレースでもあり、
エヴァンスのアシストとしてポポヴィッチの低迷からの脱却が見られるレースでもあった。
ポポ、春先は調子いいんだな。
ステーグマンスのステージ2勝も今年の躍進を感じさせるものだった。
何より!シャヴァネルのステージ勝利とレベッリンの総合優勝は、
なんというかこう苦労人の染み入る勝ち星というか、とにかく勇気をもらえる勝利だった。

ティレーノ〜アドリアティコはカンチェラーラ。
今年のカンチェは強かった。。TTを走れて、クラシックも走れて、グランツールでも
アシスト超級の働きをできる選手とは・・
最もチームCSCらしい選手の一人だと思う。フォイクトと並んで。
ステージはフレイレ、ペタッキら。
ペタッキがすっかり中規模レース専門になってしまったのは寂しい。
そういうことを考えるとツァベルやチポッリーニのようにスプリンターとして息が
長いというのはステージレーサーとしてそうであるのと同じように難しいことなのだと思わされる。

ミラノ〜サンレモはカンチェラーラ。
彼をひとりで行かせたらもう決まり。ほんとカッコいい走りをする。
2位はポッツァート。かなり狙っていたはず。でもやっぱり強い選手だ。
3位にジルベール。サンレモの3位は自信になったのではないだろうか。
ジルベール躍進の1年の萌芽がちらり。
4位はレベッリン。勝ちたかっただろうな。

フランドルはデヴォルデル。ベルギーチャンピオンジャージを着ての
独走勝利は、05年のアルカンシェルボーネン並みのカッコよさ!
上半身が以前よりがっしりしたように見えた。
2位、3位のニュイエンス、フレチャは真のクラシックレーサーとしてあと一歩のところ。
なかなかいい勝利に恵まれていない。

現地へ観に行ったパリ〜ルーベ!
しかしカメラ忘れた!バカ!
アランベールの出口手前で見ていました。
ほんっとに優勝争いグループの走りは滑らかで、流れるように去っていった。
辛うじて巻き上がった砂埃に、あぁここはパヴェだった、と気づいたのだけども。
その後に遅れてきた選手たちの走りを見て、どれほど先頭グループが超人だったかを思い知る。
遅れてきた選手だってここまで走ってきているのだから力があるのは明らかなんだけど。
ほんとに、走っているボーネンのサングラスの奥の目が燃えているのが見えた。
一流のアスリートって、ああいう緊張感を滾らせているものなのだろう。
カンチェラーラが2位、バッランが3位と、役者がきっちりレースをつくったところに、
実力者の存在感を見る。
4位はオランダ人マースカント。
パリ〜ルーベを見た翌日にはオランダに行ったのだけど、新聞のスポーツ欄には
ボーネンの写真の隣にマースカントの写真もあって、
「快挙!マースカント第4位!」的な紹介をされていた。
本国オランダにあっても多少のサプライズだったようだ。

アムステルゴールドはクネゴ。
クネゴのクラシックレーサーとしての才能を疑う人はもういない。
フランク・シュレクもステージレースを走れるけれど、クラシック向き。
でもスプリント力かあるいはアタックのキレをもう一段階上げないとクネゴヤバルベルデのような選手にはなれない。
大柄でライディングフォームはとてもカッコ良くて好き。そして名前の通りフランクで華がある。

フレーシュ・ワロンヌはキルシェン!
キルシェンもまた飛躍のシーズンの第一歩を春先のクラシックを獲ることから始めた。
以前よりレースの読み方がさらにクレバーでインテリになっているように感じる。
キルシェンはほんとかっこいいぜ!
エヴァンス、クネゴ、ヘーシンク、デッケルといい選手が続く。

ラドワイエンヌはバルベルデ。
バルベルデのクラシックレーサーとしての(以下略)
このレースはシュレック兄弟の活躍に彩られたものだった。
正直、アンディがあそこまで走れるとは思わなかった。
どうしても07年ジロだけでは未知数だったのだが。
2位のレベッリン。うーん、、アルデンヌの栄光と敗北を一身に受けるその男。

ロマンディはクレーデン。いい選手だなぁ。ウルリッヒとのコンビをもうちょっと見たかった・・。
2位のクルージガー、グランツールを走れる選手になれるか。
チェコは隠れた自転車強国。

ドーフィネ・リベレはよくいわれる「ツールの前哨戦」ってのに適う選手が活躍。
しかし近年はドーフィネでよかった選手がツールでいいこともあんましないので、
前哨戦として見るよりこのレース単品で楽しんじゃった方がよくない?
バルベルデが総合。中距離のTTは割と昔から走れているわけだし、
あまりこれで「ツールも勝てるゾ!」って騒ぐのもなぁ。
TT含めてステージ2勝、ってのはさすがに強い。
ライプハイマーもプロローグを獲っているし、さすが。

ツール・ド・スイスはかなりいいレースになった。
カンチェラーラのステージ2勝、キルシェンの頂上ゴールでの勝利、クルイジガーの総合優勝と。
キルシェンもスイスは勝ちたいところだろう。
1週間と10日と3週間のステージレースはだいぶ違うといったところか。

ツールを挟んで、クラシカ・サンセバスティアン。
ここもバルベルデ。ほんとパターンにはまると強い。
隠れたシーズン後半の好調男コロブネフが2位。
この人もなかなかにビッグレースでの勝利が無い。(エロスキで勝ったりとタフなんだが)
来シーズンに期待。
やはり勝ちきれないレベッリンが3位。でも次のレースの結果はもっと悔しいものだろう・・。

北京オリンピック。
ロード男子はサムエル・サンチェス。
いや、まさか、ではないけど割に伏兵だった。
ってかスペインは層が厚すぎだろう。いつかのアスタルロアみたいに誰だってチャンスがあったのだ。
2位があぁ、レベッリン。あと一歩、なんだけどイタリアのジャージが似合うのでよし 笑
3位にカンチェ。この人がガバーっと一人であがってきたおかげでロジャースとコロブネフは入賞した。
ロード女子はニコル・クック。
どちらかというと正直すぎる走りでいつもツイてなかった彼女が最高の舞台で勝利!
笑顔がとてもカワイイ。
オランダの妖精マリアンヌ・フォスは惜しくも6位、
でもポイントレースでゴールドメダル!さすがの強さ・・・。
マウンテンバイク男子はもちろん!のジュリアン・アプサロン。
フランス国内でも五輪前から金確実、と言われていたプレッシャーを力に見事な金。
女子BMXはテレビで見たけども、あのDH最強のショソンがBMXでも恐ろしい強さ。

ドイツツアーはゲルデマンが勝利。
ちょっと線が細いけれど、グランツールを狙える選手に果たしてなるか?
チームコロンビアはTモバイル時代を思い出させないいいチームになったなー。

1ステージも見なかったブエルタだけど、相当面白いレースだったみたいで。
コンタドール、今年のツールに出てたら勝ってたんじゃ・・・と思わせるに
充分の走りでした。ライプハイマーはつくづく立場がよくない。
ゲロルシュタイナー時代から見られるように地力はかなりあるから、
絶対エースでいられるところで走ればいいのに・・・
またランスのアシストをするつもりなのか。

サイクラシックはマキュアン。ここでやっと表舞台。
ポローニュはフォイクト。なんかシーズン中盤以降の中級ステージレースはフォイクトって感じ。

世界選はバッラン!こりゃいいや。
早くアルカンシェル着たバッランがパリ〜ルーベとフランドルを走るところを見てみたいわい。
クネゴ2位。でも現役中にたぶん、獲るでしょう。世界チャンピオン。

パリ〜ツールはジルベール。ついにビッグレースの勝ち星。
チューリッヒ選手権は・・・あぁ、無いんだった。
ジロ・ディ・ロンバルディーアはクネゴ!
すっかりステージレーサーの体格じゃなくなったけれど、その分ワンデイに強くなった。
ロンバルディアの勝利が似合うぞ。
続くジャパンカップも当然のように勝利。さすが小さな王子。


・・・とまぁ、駆け足振り返り。
これまでに無いほどレースは見れなかった年だった。
それでもジルベールやシャヴァネルみたいな愚直な選手に結果が出始めたのは
ロードレースにとってもいい傾向じゃないだろうか。
ヘーシンク、クルイジガー、ロヴクヴィスト、マースカント、弟シュレックあたりは
今後に期待を抱かせる選手でしたね。
一方でツァベルが引退。ベッティーニも一線から退くなどスター選手が消えていく。
フランス人選手の停滞感がますますつのる一方で(シャヴァネル、グベール、ピノーくらいだろうか、よく走ったのは)、
キルシェン、シュレック兄弟の小国ルクセンブルクが大躍進。
この国コンチチームのディフェルダンジュ・アピフロ・ヴァカンスにいるブノワ・ジョアシャン(元アスタナ)やクリスチャン・ポースなど強い選手は結構いる。
クラシックではレベッリンが年長組の意地を見せていはいるけれど、
世代交代はほぼ完全に進んだように思われる。
バルベルデ、クネゴ、カンチェラーラ、ボーネン、バッラン、ジルベール、ポッツァート、
フランク・シュレック、フレチャ(やや年長か)、キルシェン(やや年長?)ら。
全般にはフォイクト、ライプハイマー、クレーデン、マキュアンらも年長組を
感じさせない走りを見せてくれた。

来年もキルシェンとシャヴァネルを応援する!

ということで現地で実際に見ることが出来たジロ・デ・イタリアと、
まるまる一周したツール・ド・フランスについてはまた次回。

fin

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