ちょっと前だけど初ギュングラ。
この作家を知ったのが件のナチ加担告白騒動であったから、
当然ながらそれを気にして読んでしまうのだが(そしてこの作品の中に存分にその言葉にならなかった告白が隠されている)、
それはともかくとして、ドイツ文学ながらポーランドとの関係性を濃く押し出している。
作品そのものは、正直単調というか、感動したりということは無いのだが、
物語の展開の仕方、そして文学は日本のそれのように独自の文化を映す鏡であるとともに、
国境という曖昧なライン上に乗った人間の生を映し出すこともその本質であると感じた。
そしてすっかり魅せられたボルヘスの短編から未読の一冊を図書館にて。
瞬間は永遠に、個人は全人類に。生命は文字の中に。
借りたのは文庫版ではないのだが、惜しからむは誤字脱字の多さ。
一瞬で物語世界を現実に帰す誤字の恐ろしさは、何も作家だけではない。
文章を書く人間にとって、校正者がいないことは不幸である。
それは書き手のいない校正者のそれよりも不幸だ。
* * *
以下は卒論関係
この本にインスピレーションを受けて卒論を書くことにした。
ほんとはフェルメールで書こうと思ったのだけど。
こんどフランスに行ったら原書を買おうかしら。
絵画と写真の違いとして、遠近法を取り上げるのに役立った一冊。
マン・レイの写真に落としどころを見つけたので、自然彼の生涯にも迫る。
自伝としては面白いものだった。
自分に正直に、40歳くらいになったら自伝でも書いてみようかな。
書きたくなる人生にしよう。
訳のせいなのか内容そのものなのかわからずじまいだけども、
中身のあまり無い本であった。
写真・映画芸術美学において古典にして先端。
これを深く読み込むだけでいくらでも時間を使えるはず…。
しかしこれだけしか哲学者関連の本を使わなかったというのはいかがなものか。
写真論としては双璧の一冊。バルト。
本当はこれを基本に始めたかったのだが、今回は結局出番無し。
双璧その2。
ロマンは無いが、(当時の)アクチェアルな問題提起。
アメリカ系の写真に強いので、読み物としてもなかなかいけた。
いろいろ示唆をいただきました。
とくに、写真黎明期の論考は多いに助けてただきました。
このマン・レイ論のおかげで方向性が見えたのかも。
卒論の口頭試問も近いから、少し内容を今一度整理しなくちゃな。。
論文となっているかどうかも疑問だが。
くー。
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