2010/02/26

いざランカウイへ

明日からツール・ド・ランカウイの取材のため、マレーシアへゆきます。
海外に行く機会をもらえるお仕事は、やはり貴重なもので、それだけに緊張もあるけれど。

しばらく、とてもアジアに興味がある。
フランスに行ったことで余計に日本のことを考えるようになったし、
大枠での「アジア」、そして個々の国としての「アジア」の存在の重さをじっくり噛み締めるようになった。

東洋の哲学というか、思想や思考、もっと美しい言葉でいうなら知恵といったものの奥深さに強く惹き付けられている自分がいる。
同じ土俵で勝負しているわけじゃないから、勝ち負けでは語れないのは当然。
ヨーロッパなら優劣で片付けてしまうところを、アジアは笑い飛ばしたり、見ないフリ(笑)したりする、
そんなおおらかさの源を知りたいと望んでいる。
ヨーロッパにはまた違ったおおらかさがあって、それもまたとてもいいものだけどもね。

そんなだったから、アジア最大の自転車レースは、自分にとってとても意味のある大会になる。
ヨーロッパ発祥の自転車がどんな文化の中で育まれ生き続けているのかを見るためにフランスに行ったのだし、
アジアでのそれがどのように受容され、そしてアジアのお得意技であるところの「自分のモノにしちゃうよん」がどのようになされているのか。すごくすごく興味がある。
日本は優劣の思想を取り込むのと引き換えに、その得意技がヘタになってしまったと今でも思っているけれど、
果たしてマレーシア、東南アジアではどうなのだろう。
行ったことのない国だからこそ楽しみでならない。

そして日本の自転車チームの中でほとんど唯一と言っていい、
「アジアで戦う」ことを明言している愛三工業レーシングチームに帯同できることにささやかながら運命を感じる。
2人の全日本チャンプを擁す、国内屈指のチームがアジアという広大な舞台の中でどのように戦うのか。
本場であるヨーロッパに行けば、少なくとも本場のエッセンスを体感できるし、多くのチームがそれを行っているこの状況で、あえてアジアを舞台に選ぶその理由も、今回の取材でわかるんじゃないかという気がしている。
何より、僕がこの業界(というほどどっぷり浸かったわけでもないのだけど。。。)で初めて取材に行った
5年前の富士山ヒルクライムの時に、親切にも使えない青二才に付き合って良くしてくれたのが、
日本が誇るヒルクライマー、別府匠選手だったことも、ささやかな運命を感じている。
愛三のいい走りを、見届けたい。


アジアの話を書いていて思ったのは、今日の女子フィギュアスケート。
あるいはこれを見たからこんなにアジアのことを書きたくなったのかもしれない。

キム・ヨナの恐ろしいまでの意志の強さとそれにうまく溶け合うしなやかさ。
彼女のスタイルは、僕がぼんやりと思うところのアジアの精神の理想的な体現であったように思う。
テレビで見てるだけで鳥肌が。。。

そしてたちまちファンになった長洲未来。
あの愛嬌と体全身から立ち上るような生きる喜びのエネルギッシュさがまぶしい。
惚れちまったぜ。4年後にもあんな笑顔ができるなら、本当に素敵だと思う。

浅田真央の涙を見るのはつらかった。
「アメリ」の中で、アメリが好きなもののひとつに、敗北したスポーツ選手が泣くところ、
というくだりがあって、それがあの映画で僕が一番好きなところだったのだけど、
今日でそれも変わっちゃった。
自分の国の選手だからかな?
そんな風にちょっとナショナリズムについても思わせるところを、
金と銀の2人は国境というところに縛られるんじゃなくて、自分自身という、もっと狭くもっと広大な世界と
向き合って、国境なんかを飛び越えるような演技をしてくれたことに感動した。

なぜか自転車競技から違う話になってしまったけど 笑
そんな感動を与えることのできるスポーツという文化があって、
曲がりなりにもそれに携わっていることに嬉しさと、同時に自分に喝を入れ直して行ってきたいと思ったのだった。

現地は40度とか。うひゃー。

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